RE:FACTORYのお客様でデザイン事務所を営む大井さんが、
弊社建築士 奥河内の家づくりをレポートするスペシャルコンテンツ!

RE:FACTORYの設計を手掛ける建築士 奥河内さんが
家族のために手掛ける家づくり。
物件探しからインテリアのことまで、
そこには建築のプロならではの参考にしたいヒントがたくさんありました。

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オープンエアリビングのアイデアと
1ランク上の照明術

2021.10.08

もう一つのくつろぎ空間!
オープンエアリビングのアイデア

奥河内邸の最大の特徴である2階のオープンエアリビングにもようやく家具が入り、開放感のあるもう一つのくつろぎスペースが出来上がりました。リビングとダイニングの窓からアクセスできる広々バルコニーは、ダイニングの延長としてひと続きに見えるよう同じタイルを敷いています。天気の良い日はさっとサンダルに履き替えて、屋外でのんびり。

このバルコニーは隣の建物の壁に囲まれているため、元来は景色が見えず閉塞感がありましたが、逆を言えば、それは人目を気にせず屋外でのびのびくつろげるというメリットでも。完全にプライベートなアウトドア空間って、今のご時世、なんて贅沢なのでしょう! おうち時間の楽しみも広がり、奥河内さんも休日が待ち遠しいようです。

さて、そんな家族みんなが待ち望んでいたオープンエアリビングの家具選び。屋外対応という制限はあるものの、昨今ではアウトドアの流行もあっておしゃれな製品もたくさん見つかります。屋内のテイストとの統一感も図りつつ、奥河内さんが選び抜いたアイテムたちをご紹介しましょう。

バルコニー中央には、リゾート感たっぷりの ASPLUND CONTRACT(アスプルンド コントラクト)のTECTONA 2.5P SOFA を。フラットなチークウッドの台座に、ゆったりと深めに腰かけることのできるラグジュアリーなガーデンソファです。アスプルンドコントラクトには、アウトドア使用可能な家具が様々揃っていて、サイトを眺めているだけでワクワクしてきます。サイドテーブルもこちらのLINER BENCH TABLE をセレクト。その隣の一人がけのラウンジチェアは、CARL HANSEN & SON(カールハンセン アンド サン)の MG501 CUBA CHAIR。フォルムの美しさだけでなく機能性を追求した、折りたたみ式の椅子です。広いバルコニーの日除けには、サンシェードを取り付けました。これで日差しを気にせず、ソファにごろんと転がって昼寝もできそうですね。

  • 【オープンエアリビング】ダイニングとリビングをつなぐ役割のバルコニー。シェード&屋外用の家具が加わり、光が降り注ぐもう1つのリビング空間に。

  • 【ラウンジチェア】モーテン・グッドラーの代表作〈MG501 CUBA CHAIR〉。フラットロープによるハリのある座り心地が快適な折りたたみチェア。

  • 【ガーデンソファ】アスプルンド コントラクトの〈TECTONA 2.5P SOFA〉。しっかりと体を預けられる広めの座面は、ずっとくつろいでいたくなる座り心地。

建築家が教える!1ランク上の照明術

奥河内さんのインテリアコーディネートは、家具選びだけでなく照明の選び方もとても参考になります。照明には空間全体を明るく照らす用途だけでなく、その場の雰囲気に奥行きを出すような空間演出としての効果もあります。奥河内邸の照明は、後者の考え方に重点を置き設えたものが多く見受けられます。

第一にリビングやダイニングでは、その空間の象徴になるような照明をそれぞれ取り付けています。オーセンティックムード漂うダイニングでは、テーブルの真上に FLOS(フロス)の IC Lights を。乳白色のガラスの球形が細い棒の上を転がるように配置されたデザインが特徴的で、真鍮のアクセントが空間にマッチします。リビングには、セルジュ・ムーユの APPLIQUE MURALE 2 BRAS PIVOTANTS の壁付け照明を。壁から伸びる2灯の照明の一方は、ソファ&テーブルを真上から照らし、もう一方は光を壁に反射させるように配置しています。この後者こそが空間を演出するための照明術。間接的に壁に照明を当てることで、その場がぼんやりと柔らかな光に包まれ、家具にあたたかな陰影を生み出します。さらにリビングの壁面塗装は、わざとムラが出るように重ね塗りされており、光の当たり具合で有機的な模様を映し出します。日中の自然光に照らされた壁色とはまた違った深みを感じさせ、照明によって絶妙に壁の色味が活かされています。

  • 【ダイニング照明】シンプルながら存在感のある〈IC Lights〉。乳白色のガラスの球体と直線的な真鍮のデザインが美しいコントラスト。

  • 【リビング照明】全方向に向きを調節できる〈APPLIQUE MURALE 2 BRAS PIVOTANTS〉。壁にあてた間接光が、優しいムードを演出しています。

また、他の照明も空間演出に一役買っています。ダイニングやリビングの明かり取りとして天井にいくつか埋め込まれた小さな照明は、グレアレスダウンライトと呼ばれるもの。これは通常のダウンライトとは違い、光源の眩しさを低減するように設計されています。空間の明るさは確保しつつも、ダウンライトそのものの光の主張を抑えることで、空間に馴染ませることができるのです。光源が見えないので、窓ガラスなどへの映り込みも軽減。部屋全体の雰囲気が、まるで美術館やレストランのようにグレードアップします。

  • 【グレアレス照明】グレアレスとは、眩しさを発生させないということ。光源が見えないため、器具の存在感も控えめです。

このように、直接的なインテリアコーディネート以外にも空間演出のテクニックは様々あります。特に今回ご紹介したような照明については、部屋ごとに最適な明るさがあったり、家族構成によっても照明の好みは違ったりしていて、素人ではなかなか知識や考えが及ばない領域でもあります。美しい場所には美しい照明あり。その場の空気感を演出するインテリアの要として照明を効果的に活用したいところです。家づくりの際には、家具選びだけでなく照明についてのアドバイスもぜひ相談してくださいね。

次回は「ついに最終回! 完成した奥河内邸の様子と住み始めてからのエピソード」

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