RE:FACTORYのお客様でデザイン事務所を営む大井さんが、
弊社建築士 奥河内の家づくりをレポートするスペシャルコンテンツ!

RE:FACTORYの設計を手掛ける建築士 奥河内さんが
家族のために手掛ける家づくり。
物件探しからインテリアのことまで、
そこには建築のプロならではの参考にしたいヒントがたくさんありました。

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造作で仕上げる、
ホテルライクなこだわりのバスルーム

2021.09.10

造作でつくるホテルライクなバスルーム

2階のバルコニーとダイニングを繋いだオープンエアリビングと並び、もう一つ奥河内邸の注目スペースに挙げられるのが造作したバスルーム。既存のユニットバスからタイル張りのホテルライクな空間に生まれ変わりました。

バスルームのある1階の全体イメージに合わせて、浴室とガラス壁で繋がった広めのパウダールームは、空間全体を暗めのトーンにまとめ、照明もあえて暗めに。壁面と床はグレーの大判タイルを採用しました。一枚ずつ微妙に表情の違うタイルは、光の当たり具合で印象が変わります。冬場の寒さ対策のために床暖房やエアコンも付けました。これで、ヒヤッとする床の不快感も解消。高級感と快適さを追求した大人のバスルームが完成しました。

  • 洗練されたホテルのようなバスルーム。壁面は縦長のタイルで天井を高く、床面は正方形のタイルで空間を広く感じさせるさりげない工夫も。

  • 素敵なバスルームが完成するまでにはたくさんの苦労が。重量のあるホーローの浴槽をぶつけないように、職人さん総出で慎重に搬入していきます。

  • バスルームの美しいタイル張りは左官職人さんの手仕事によるもの。施工現場を覗くと大工仕事や左官仕事など、職人さんの技術に惚れ惚れします。

こだわりバスルームの秘訣はパーツにあり!

そんな素敵なバスルームのインテリアに一役買っているのが、水栓などの細かなパーツ。まず浴室の中でも一番に目を惹くのが、GROHE(グローエ)のオーバーヘッドシャワーです。このオーバーヘッドシャワーは、デザイン性もさることながら、全身がやわらかな雨で包まれるようなラグジュアリーな心地良さが魅力です。そして手前のパウダールームの洗面台には、プロダクトデザイナーのフィリップ・スタルクがAXOR(アクサー)と手がけたアクサースタルクの水栓が引き立ちます。室内のデザインに合わせ、カラーはこだわりのブラッククロームを選びました。珍しいこの色は受注生産だったため、注文から到着まで半年もかかってしまったそう。施工に間に合うかどうか奥河内さんも内心ハラハラしたようですが、重厚感のあるテラゾーの洗面カウンターをぐっと引き締めるアクセントとなっています。

そしてバスタブにもこだわりが。奥河内さんが選んだのは古き良き鋳物のホーロー浴槽でした。180年以上続く広島の老舗鋳物メーカー大和重工にオーダーしたものです。ホーローのバスタブは現在でも高級ホテルなどでは見ることができますが、一般家庭用にはほとんど使われることがなくなり、多くのバスタブは大量生産しやすい樹脂製のものへと代っています。

ホーローのメリットは、なんと言ってもその優れた耐久性。滑らかで艶のある上品な美しさは何年経ってもほとんど色褪せることなく、光沢感を保ちます。また、中心部材の鉄やコーティングの硅石などリサイクル率の高い天然素材を利用しているため環境にも優しいバスタブなのです。制作過程に手間はかかるけれど、ロングライフに引き継がれるものへのチョイスは、リノベーションにも通ずる考え方であり、奥河内さんの大切にしている「愛着のある家」へのコンセプトにも敵う家づくりと言えます。

  • バスルームで一際存在感を放つ〈GROHE〉のオーバーヘッドシャワー。ハイクラスのホテルでも採用される美しいデザインと雨のような浴び心地が魅力。

  • 一切の無駄を排除した美しいフォルムの〈アクサースタルク〉の水栓は、プロダクトデザイナー フィリップ・スタルクによるデザイン。

  • 優れた耐久性をもつホーローの浴槽は〈大和重工〉製。時を超えて愛されるオーセンティックなデザインは、どこか懐かしい佇まい。

  • 洗面カウンター下には〈AEG〉のビルトイン洗濯機を設置し、十分な収納スペースを確保しながらホテルのようなすっきりとした空間を実現。

日々の疲れを癒す極上のバスルーム。休日や時間のある時にはゆっくりと湯船に浸かり、ホテルステイさながらのリラックスタイムを堪能できそうです。

次回は「造作でつくるキッチン。テレビ台や洗面カウンターなど」

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