RE:FACTORYのお客様でデザイン事務所を営む大井さんが、
弊社建築士 奥河内の家づくりをレポートするスペシャルコンテンツ!
RE:FACTORYの設計を手掛ける建築士 奥河内さんが
家族のために手掛ける家づくり。
物件探しからインテリアのことまで、
そこには建築のプロならではの参考にしたいヒントがたくさんありました。
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2021.09.24
リビングダイニングのある2階は、壁や床の施工を終え、いよいよキッチンが入る段階へ。一から造作するこだわりのキッチンは、どんなものに仕上がるのか筆者も楽しみにしていた空間のひとつです。ここにはどのようなこだわりが詰まっているのでしょうか。
まず特徴的だったのは、キッチンの配置でした。元々の対面キッチンから、L字の壁付けキッチンへ配管ごとガラリと変更。ダイニングの窓際を贅沢にキッチンカウンターが覆い、まるで海外のキッチンのよう。日本はリビングと対面するアイランドキッチンやカウンターキッチンが主流なので、それだけでとても新鮮です。
壁付けにすることによってキッチンは省スペースに、ダイニング部分はその分広く確保できるというメリットも。おかげで奥河内家のダイニングは広々と食卓を囲めるようになり、自然と居心地の良い空間が作られそうです。家事導線にも無駄がないので、夕食の支度をしながらダイニングテーブルでお子さんの宿題などもこまめに見てあげられそうですね。
造作したキッチンはすっきりと高級感のあるデザインに。カウンターの天板はガスレンジ部分の側面やレンジフードと材質を合わせ、ステンレスのバイブレーション仕上げに。水栓はGROHE(グローエ)、コンロはリンナイのデリシア、オーブンはMiele(ミーレ)をセレクトしました。カラーを全てブラックで統一することで、キッチン全体を落ち着いたシックな印象に。食洗機もデザインを邪魔しないようにフル面材を使用し、キッチン収納と一体化させる形で設置しました。ラワンの収納扉は取手もなく、すっきりとしたデザインにまとまっています。 。
食洗機だけでなく、炊飯器など日常使いするものの収納は取り出しやすく、かつ見せない工夫がされており、デザイン性と実用性の両面をカバー。毎日の作業場として美しいだけでは満足できないキッチンスペースの使い勝手も見事に両立されており、造作キッチンだからこそできる細やかな工夫がなされていました
RE: FACTORYでのリノベーションは、手持ちの家具に合わせて棚や収納などを細やかに造作できるのもポイントのひとつ。奥河内邸でも様々な箇所に取り入れていますが、中でも生活感の出やすいリビングルームに上手く機能させているのがTV台です。極力存在感を抑えるために薄いスチール板で壁いっぱいに造り付けた台を設え、TVコードはその壁の裏側へ納める形で見せないための工夫が施されています。コードが隠れるだけで、こんなにも洗練された空間に仕上がるなんて! プロのアイデアと美的センスが光ります。
1階のパウダールームと2階の洗面台のカウンターには、ブラックのテラゾーが使われています。テラゾーといえば、昨今インテリアのトレンドとして再び注目を集めている材質で、大理石や石灰石などの石材を砕いたものをセメントに混ぜて固めた人工大理石のことです。色や素材のバリエーションも無限にあり、深みのある自然な風合いが魅力です。高度経済成長期に公共の建物や商業ビルなど幅広く使用されていたため、どこか懐かしい印象もありリノベーションによって古い建材を残しながらオーセンティックなデザインへと昇華させた奥河内邸にしっくりと馴染んでいます。
次回は「リノベーション空間を引き立てる家具&インテリア」